ほそぎハートセンター

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そろそろ禁煙しませんか?〜禁煙外来を再開しました!〜

たばこの煙には多くの有害物質が含まれていて、喫煙している人はもちろん、周囲の人の健康にも受動喫煙による悪影響があります!
 受動喫煙による子どもへの影響としては、出生前には子宮内発育障害、成長してからは生活習慣病、乳幼児突然死症候群、乳幼児の呼吸器疾患などのリスクがあります。また、喫煙者がいるご家庭では、子どもが喫煙を開始しやすく、開始年齢も早くなりやすいことから、早期に健康への影響が起こることが懸念されます。

 たばこはだんだん値上がりしています。昨年 10 月からは 1 箱 20 本入り 540 円(うち税金333.97 円 61.8%)。今年 10 月には、さらに 20 円上がる予定です。また、改正健康増進法(令和 2 年 4 月 1 日施行)により、公共施設では、原則、屋内禁煙。屋外でも周囲に配慮することが定められました。だんだんと喫煙できる場は減ってきています。

 家族から禁煙をすすめられたり、ご自分や家族の健康のために禁煙したいと思っている方! 今からでも遅くありません。禁煙しましょう!

やめられないのはニコチン依存症だから!
 たばこに含まれるニコチンは、脳に作用して快感物質であるドパミンを放出させ快感や多幸感を生じさせます。ニコチンには麻薬にも劣らない強い依存性があり、切れてくるとイライラして落ち着かない状態となり、またたばこを吸いたくなります。そうして喫煙を繰り返してしまう状態がニコチン依存症です。依存症なので、ご自分の意思の力で禁煙を成功させるのは大変難しいです。

禁煙治療は?
 一定の要件を満たし、ニコチン依存症として管理が必要と認められた場合は、健康保険が適用されます。12週間の治療で、自己負担は 13,000 〜 20,000 円(3 割負担の場合)程度です。要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
 また、ニコチンの離脱症状を緩和し禁煙を助けてくれる薬がいくつかあります。ニコチンパッチとニコチンガムは、たばこの代わりにニコチンを補充して、離脱症状を軽くします。内服薬はニコチンを含まず、離脱症状を軽くするだけでなく喫煙による満足感も抑制するので、効果が高いといわれています。
 何度か禁煙に失敗している、一人でやめられなくて困っている方、たばこをやめたい方は受診してみてください。

(心臓リハビリテーション科部長 西本美香)
情報誌「じんせい」2021年6月号より
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